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耳よりな話 2021年1月

自律神経を整える「セルフお灸」のやり方

「お灸カフェ」 からの紹介です。

お灸というのは、最新医療に決して引けを取らないほど多くの効果を持っています。
ツボをピンポイントでとらえる必要がなく、使用法を正しく守れば、どなたでも簡単にできるセルフケアです。

【解説】

高橋徳(たかはし・とく)
統合医療クリニック徳院長。アメリカ・ウィスコンシン医科大学名誉教授。
アメリカで10年以上にわたりオキシトシンの研究を行う。2013年に岐阜県で統合医療クリニック「高橋医院」を、2016年に名古屋市に分院「クリニック徳」を開業。近著に『8つのツボで30の病気を治す本』(マキノ出版)がある。

脳内で鎮痛作用や抗ストレス作用が働く

皆さんは、 「お灸」という言葉から、どんなことを連想されるでしょうか。お年寄りが背中や腰にモグサを盛りつけて線香で火をつけ、もうもうと煙を立てるなかをじっと我慢......。子供のころのそんな記憶がよみがえるかもしれません。

さすがに最近では、そうした光景はあまり見られなくなりました。しかし、お灸そのものが持っている価値が、失われたわけではありません。

私は、もともと、外科医としてキャリアをスタートさせました。その後、東洋医学に興味を抱き、自分でも、ツボを使って患者さんの治療を行うようになりました。

そして、アメリカの大学に籍を置いていた時期には、西洋医学の考え方に基づいて、ツボの効能を確立させる研究を行ってきたのです。
現在も、西洋医学と東洋医学のそれぞれの優れた効能を取り入れた、全人的な医療を行っています。

こうした私の立場からいえば、お灸というのは、最新医療に決して引けを取らないほど多くの効果を持っています。薬に頼らず、さまざまな症状を改善させるお灸は、非常に有用な健康法なのです。

さて、お灸は、鍼治療と併せて「鍼灸」と呼ばれます。鍼治療は、ツボをピンポイントで刺激する必要があり、国家資格を持った鍼灸師が施術しなければなりません。

その点、お灸は、ツボをピンポイントでとらえる必要がなく、ゾーンとして刺激します。使用法を正しく守れば、どなたでも簡単にできるセルフケアです。ご自宅でできる点が、お灸の大きな長所といってよいでしょう。

では、お灸は、どのようにして健康効果を発揮するのでしょうか。そのポイントは、主に三つです。

① 温熱効果
② ツボ刺激効果
③ アロマテラピー効果


まず、お灸を据えることで温熱効果が発揮されて、周辺の血行がよくなります。

第二が、ツボ刺激効果です。ツボへの刺激は、知覚神経を介して脊髄に入り、脊髄視床路という経路をたどって脳へと伝えられます。

脊髄の神経は、幾重にも分岐して脳へ戻っていきます。これを追跡していくと、ツボ刺激の効果は、脳のさまざまな部位へと伝えられ、それぞれの部位でそれぞれの作用が引き起こされていることがわかります。

ツボへの刺激が、脳の中脳という部位に届くと、脳内麻薬である 「オピオイド」の分泌が促されます。例えば、ツボ刺激によって腰やひざの痛みが緩和するのは、このオピオイドの鎮痛作用によるものです。

また、ツボへの刺激が、脳の延髄に届くと自律神経の調整作用が働きます。

自律神経は、私たちの意志とは無関係に働き、内臓や血管をコントロールしています。自律神経が乱れると、さまざまな不定愁訴が起こってきます。

そこで、ツボを刺激すれば、この乱れが調整されて不定愁訴が改善します。自律神経の調整作用は、血圧のコントロールにも役立つので、降圧効果も大いに期待できます。

さらに、刺激が視床下部に届くと 「オキシトシン」というホルモンの分泌が促されます。

オキシトシンは、いわゆる「幸せホルモン」であり、「癒やしホルモン」とも呼ばれています。このオキシトシンには、抗ストレス作用があり、不安や恐怖心を減少させるのです。

また、鎮痛作用も持っているので、オキシトシンが分泌されれば、痛みが緩和されます。

第三が、アロマテラピー(植物由来の芳香を用いる療法)効果です。お灸に使われるモグサは、ヨモギの葉から作られます。お灸の煙が醸し出す豊かな香りも、重要な役割を果たしています。

ヨモギの香りには、人の心を落ち着かせる役割がありますし、あるいは、子供のころを懐かしく思い出すこともできるでしょう。こうした香りによって「心地よい」と感じることも、前述したオキシトシンの分泌を促します。

現在市販されているお灸には、本来のヨモギに、花の香りやフルーツの香りが加えられている商品も多くあります。お好みに合わせて選べば、お灸を据える楽しみがさらに広がることでしょう。

リラックスして深呼吸をくり返そう

お灸が持っている総合的な作用で、さまざまな痛みや不定愁訴に改善効果が発揮されます。今回は、私が特に厳選したお勧めのお灸ポイントをご紹介しましょう。

高橋徳先生厳選!4大お灸ポイント:「合谷」

【主な効果】
高血圧、めまい、五十肩

【探し方】
手の甲の親指と人差し指のつけ根の骨と骨の間にある。人差し指のつけ根の骨をたどり、指がグッと入るところ。指で押すと「ズーン」と響く感覚がある。

まずは合谷です。全般的な痛みに効果を発揮する、 「万能ツボ」といえます。

手の甲の親指と人差し指の、つけ根の骨と骨の間にあります。特に上半身の症状の解消に威力を発揮し、肩こりや五十肩、めまい、歯痛や頭痛、目や鼻の症状に有効です。

合谷に鍼を打つと、脳が活性化して、オピオイドが顕著に分泌が促されることが確認されているので、また、高血圧にお悩みのかたにもお勧めです。

高橋徳先生厳選!4大お灸ポイント:「足の三里」

【主な効果】
腰痛、胃痛、胸やけ

【探し方】
ひざのお皿の外側の下に人差し指の端を当てて、指の幅4本分下がったところにある。指で押すと「ズーン」と響く感覚がある。

二つめの足の三里は、昔から胃腸疾患によく効くことで知られています。胃痛や胸やけ、腹痛などの解消に最適です。

私自身、ラット(実験用のネズミ)を使った実験で、足の三里に鍼を打つと胃の働きが高まることを確認しています。

さらに、下半身の痛みにも特効があり、腰痛などの関節痛に悩んでいるかたにもお勧めです。

足の三里は、ひざのお皿の外側の下に人差し指の端を当てて、指の幅4本分下がったところにあります。

高橋徳先生厳選!4大お灸ポイント:「三陰交」

【主な効果】
ひざ痛、更年期障害

【探し方】
内くるぶしの中心から、ひざ方向に指の幅4本分上がった付近の骨の際にある。その辺りを指で押して、いちばん響くところ。

続いての三陰交は、女性の病気の特効ツボです。ここにお灸を据えれば、自律神経のバランスが調整されて、さまざまな婦人科疾患や更年期の不定愁訴の解消に役立ちます。さらに、ひざ痛のかたにもお勧めです。

三陰交は、内くるぶしの中心から、ひざ方向に指の幅4本分上に上がった付近の骨の際にあります。

高橋徳先生厳選!4大お灸ポイント:「丹田」

【主な効果】
便秘、冷え症

【探し方】
へその下に人差し指の端を当てて、指の幅3本分下がった辺り。ツボではなく、ゾーンと考えればよい。

最後が、丹田です。ここは、ツボというより、ゾーンとして考えればいいでしょう。へその下に人差し指の端を当てて、指の幅3本分下がった辺りです。できれば、三つほどお灸を据えるとなお効果的です。

丹田を温めると、冷え症が改善するだけでなく、腸の働きを活発にして便秘の解消に役立ちます。

お灸を据える際は、 リラックスして深い呼吸をくり返すようにすれば、自律神経のバランスがいっそう整います。全身の血行がより活発になり、お灸の効果がアップするでしょう。

詳細は、 ⇒ふじさわ鍼灸院の鍼灸治療は、「症状別お悩み相談」 自律神経失調症 をご覧下さい。


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