HOME > 症状別お悩み相談 > 腱鞘炎・弾発指(ばね指)

症状別お悩み相談

一覧へ戻る

腱鞘炎・弾発指(ばね指)

出産して、4ヶ月になります。
親指を伸すと痛くて子供を抱くことが出来ません。
それに中指・薬指・小指を広げるとカクン・カクンとなり少し痛みます。
授乳中のため、薬や湿布を使えないので鍼灸で楽にならないかと思って伺いました。

授乳中の時期に、手の関節・手の指が痛むことは、大変辛いここでしょうね!

整形外科医の河合隆志先生は、
「骨と筋肉をつなげる「腱(けん)」を支える部分のことを「腱鞘(けんしょう)」とよびます。
この腱鞘に炎症など、なんらかの原因によって痛みや通過障害(腱が通りにくくなること)、引っかかるなどの症状があらわれる病気が腱鞘炎です。

主な腱鞘炎として、手首が痛む《ドケルバン病》と、手の指の付け根に引っかかるなどの症状があらわれる《ばね指》があります。」
と話されています。

主婦や物書き、事務員などの日常生活のなかで手をよく使う人がかかりやすい病気です。

腱鞘炎のなかでも、《ドケルバン病》は妊娠や出産時期、または更年期の女性に多いとされています。
腱鞘炎全体でみても、40~60代の女性に多くみられます。」

と話されています。

腱鞘炎にも色々あるんですね。どんな人がなりますか?

女性は筋肉の量が男性に比べて少ないので、曲げ伸ばしのときに腱にかかる負担が大きく、腱鞘炎を起こしやすいといわれています。

家事で同じような動きをすることが多かったり、妊娠・出産時期や更年期の女性が、ホルモンの変化がきっかけになって多く発症するようです。

妊娠や出産時期、または更年期の女性に多いのはどうしてですか?

主婦や物書き、事務員などの日常生活のなかで手をよく使う人がかかりやすい病気です。

腱鞘炎のなかでも、《ドケルバン病》は妊娠や出産時期、または更年期の女性に多いとされています。
腱鞘炎全体でみても、40~60代の女性に多くみられます。

妊娠・出産時期に手や手首の痛みを経験しているママさんはどのくらいいるのでしょうか?

産後女性の3人に1人は手や手首の痛みを経験し、痛みの多くは産後1か月から2か月に出現していた。」
と『日本助産学会誌』(2,017年)で発表されています。

出産後のママさんの3人に1人が手や手首の痛みを経験しているのですね!
妊娠・出産時期に多いといわれるドケルバン病について教えてくださいますか?

ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)は、主に手首が痛みます。
ばね指は、親指や人差し指、中指などの指の付け根に痛みを感じるのが特徴です。
詳しくは、公益社団法人日本整形外科学会をご覧下さい。

腱鞘炎のことを鍼灸では、どのように考えていますか?

東洋医学では、出産後の身体を「産後血失(産後は血を失う)」と言い、それを血虚と呼びます。

出産を乗り切るために必要なエネルギーは、何キロカロリーかご存じですか?

出産はとっても大変でしたが、何キロカロリー?
といわれても・・・。

陣痛から出産するまでには、初産の場合、24時間ぐらいかかります。
この陣痛を乗り切るために必要なエネルギーは、なんと約4,000kcalといわれています。

4,000kcalって、どの程度の運動量なのでしょうね?

そうですね~。
富士山で登山をすると同じくらいのカロリー消費量になるといわれています。
しかし、万が一、陣痛が長丁場になるときは、それ以上の消費量になりますね。

出産は、そんなにエネルギーを使ったのですか。
ほとほと疲れたわけですね。

東洋医学では、出産後の身体を「産後血失(産後は血を失う)」と言い、それを血虚と呼ぶと話しました。

血虚とは、体内の「血」が不足している状態です。体内の臓器は、「血」が栄養源ですから、「血失」によって、妊娠・出産に関係深い臓腑(腎・肝・脾・胃)の働きが消耗され、栄養が十分とれなくなってしまします。

特に肝に貯えられる血が少なくなり、全身の筋・腱・関節を動かす働きが弱くなってところに、育児のために腕や手を使うため、腱鞘炎・弾発指(ばね指)の症状が現われます。

肝とは肝臓のことですか?

そうです。
東洋医学の肝の働きについて説明しましょう。
(1)「蔵血を主る」と言って、血液を貯蔵し、調整する働きのことです。
(2)「筋の運動を主る」とは、全身の筋・腱・関節を動かす働きのことです。
(3)「目を主る」は、血を受けて、視力の調整をする働きのことです。
(4)「疏泄(そせつ)を主る」とは、胃脾の消化・吸収・運搬を助けることです。

東洋医学の用語は聞き慣れないので、難しいですね!
視力の調整をする働きは、肝がするのですか?私も目が疲れています。

肝は目を主る」とあるように、肝に貯えられている血が少なくなると、視力が弱くなります。
来院される産後のママさんは、目がかすむ・目が疲れる・視力が落ちたなどの訴えが多いです。

鍼灸によって、目がかすむ・目が疲れる・視力が落ちたなども回復しますか?

鍼灸治療。経絡治癒は、妊娠・出産の時に消耗された臓腑(腎・肝・脾・胃)の気血が補われることによって、特に血が補われ、腱鞘炎やばね指の痛みが軽減し、視力も回復していきます。

経絡治療ってなんですか?

経絡治療は、ソフトに鍼と灸でツボにアプローチをして、身体の気血の流れを良くし、五臓のバランスを整えることによって、 部分でなく、カラダ全体を治療することにより、本来もっているその人の持っている力(免疫力・自然治癒力)を高め、日々のストレスに対応できるような心身に調えます。

そして、五臓がやどしている精気(生命力)と神気(精神活動)が全身にみなぎり、本来その人の持っている力(免疫力・自然治癒力)を高め、日々のストレスに対応できるような心身に調えられていきます。


一覧へ戻る