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自律神経失調症

自律神経の働き

自律神経の働きについて、北関東循環器病院院長 南 和友先生は次のように言っています。

「人間の身体には2種類の神経が張り巡らされています。1つは手足、目、首を動かす神経(随意神経)であり、もう1つは自分の意志では動かすことのできない神経(不随意神経)です。

後者は、神経が人の意志から独り立ちしていることから"自律神経"と名付けられています。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、それぞれ相反する働きを持っています。

人の自律神経は車に例えればアクセルとブレーキのようなものです。体を能動的に動かそうとすればアクセルである交感神経が働き、休もうとすればブレーキの役割をする副交感神経が働きます。

車の場合には運転手が足でアクセルやブレーキを調整し、適正な速度を保ちながら走らせますが、人間の場合は生まれつき体に備わっている自律神経が「五感」「感情」といった高性能なセンサーで自動的に働き、時に早く時にゆっくり作用して体のバランス(ホメオスタシス)を保ちながら、健康な体の維持に役立っています。」

(参考資料『健康と自律神経・血液循環の関係について』)

自律神経失調症とは

自律神経失調症は、自律神経の「五感」「感情」といった高性能なセンサーの自動的な働きが低下して、体のバランス(ホメオスタシス)が保てなくなることです。

自律神経失調症になると、特に原因が思い当たらないのに様々な症状が現れます。

例えば...
慢性的な疲労、だるさ、めまい、偏頭痛、動悸、ほてり 不眠、便秘、下痢、微熱、耳鳴り、手足のしびれ 口やのどの不快感、頻尿、残尿感
などといった症状です。

精神的な症状としては イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、やる気が出ない憂鬱になる、感情の起伏が激しい、あせりを感じるなど症状はいろいろあります。

経絡治療の考え

経絡治療は、「望診・聞診・問診・触診(切診)」によって、陰陽虚実寒熱気血が多いか少ないか、病の勢い、病が浅いか深いかによって治療の方針手段を見いだします。 自律神経失調症のように、特に原因が思い当たらないこの様な症状があるとき、鍼灸では次のように診ます。

身体的症状

虚:慢性的な疲労、だるさ、めまい、動悸、肩こり、のぼせ、偏頭痛、頻尿
虚:不眠、めまい、
寒・湿:下痢、手足のしびれ
風・熱:不眠、便秘、微熱、口やのどの不快感、残尿感 
※虚とは、消耗を意味します。
※※この熱は、平熱であるけれど本人は熱く感じることを含みます。

精神的症状

イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、やる気が出ない憂鬱になる、感情の起伏が激しい、 あせりを感じるなど症状は、七情(努、喜、驚、思、憂、悲、恐)の感情が非常に強く、続いたた め、五臓(肝・心・脾・肺・腎)を傷めてしまったと考えます。
五臓には、七神(魂、神、意、智、魄、精、志)が宿り精神的な働きをしていますが、過度な七 情によって五臓が傷められるため、七神の気の巡りが阻害されてしまします。
そのために、身体に不調和が生じていると考えます。
五臓と七神・七情の関係を図にすると

七神 七情 表情 症状
怒りは肝を傷めます。怒りすぎると気が逆上し、 胸の張りやめまい、頭痛などを起こします。怒りが 激しいと血も逆流し、昏倒をおこします。
喜びは心を傷めます。喜びすぎると気が緩み、精神の集中を欠いて動悸や不眠が起こり、激しい場合は狂気のあまり失神します。


思慮は脾を傷めます。思いすぎると精神が疲労し、下痢や食欲不振などを起こします。悩みで何ものどを通らない状態です。
悲・憂 悲しみや憂いは肺を痛めます。深い悲しみは気を 消耗させ、呼吸を乱し、声を発するのも嫌になります。鳴咽でしゃくりあげて話もできない状態です。


恐れや驚きは腎を痛めます。強い恐怖は気を下げて失禁や流産を招き、驚きは気を乱して精神が 不安定になります。

※表が切れて表示されている場合は横にスクロールしてご確認いただけます

例えば、イライラは肝、不安感は腎、やる気が出ない憂鬱になるは肺、感情の起伏が激しいは心と五臓に当てはめることができます。

治療方針

経絡治療は、「望診・聞診・問診・触診(切診)」によって与えられた情報により、バランスを保てなくなり消耗している五臓はどれなのかを見極めます。これにより証が決まり、必要なツボを選び、鍼による施術、灸による施術を行うことができます。

※証とは、肝虚証・脾虚証・肺虚証・腎虚証・心包虚などを言い表します。

五臓がバランスを保てなくなり、心身を動かすエネルギー(気血)の通路(ネットワーク)である「経絡」の滞りから、不定愁訴が生じていると考えますから、「経絡」の滞りを改善し、特に不足している気を補う治療を行います。

「経絡」の滞りが改善され、五蔵のバランスが整うと、気(エネルギー)流れる身体は、からだの奥から精気(生命力)と神気(精神活動)が全身にみなぎりってきます。

(参考資料『合類醫学入門』『脈から見える世界』『はりきゅうで「うつ」は治る』)


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